スクランブルゴルフがゴルフ業界の2020年問題を解決する

ゴルフが難しいからゴルファーが増えない

日本は世界でも有数のゴルフ大国です。国内にはたくさんのゴルフ場があり、ゴルフ人口も多く、いつでもどこでもゴルフを楽しめる環境が整っています。ただ、この状況がずっと続くという保証はどこにもありません。団塊世代の離脱、ゴルフ業界の苦境、趣味の多様化など、これから先、日本のゴルフは難しい課題と直面していくことになるからです。

数年後にはゴルファーが激減するゴルフ業界の2020年問題

スクランブルゴルフの写真1 ゴルフをはじめるきっかけはさまざまだと思いますが、職場の上司など年配の方から誘われるパターンが一番多いのではないでしょうか。ご存知のようにゴルフはシニア層に人気のスポーツで、その中心にいるのは65~70歳のいわゆる団塊世代。今はまだ現役でも、この先の高齢化により団塊世代のゴルフ離れが急激に進むと予想され、ゴルフ業界の2020年問題として危惧されています。 例えば80~90年頃のバブル期にはリフト待ちに長蛇の列ができるほど賑わっていたスキー場も、ブームが去り、スキーヤーの高齢化が進んだ結果、スキー人口は減少の一途を辿っています。近年ではゲレンデの閉鎖など、スキー業界の縮小傾向が見受けられます。まわりにやる人がいなければ行かなくなるのがスキーのようなレジャースポーツの特徴で、ゴルフにも同じことが言えます。ゴルフに誘う人が減り、ゴルフをはじめる人が減り、あと数年のうちにゴルフ人口が激減する可能性は高いと考えられます。 このままではゴルフ場はもちろん、ゴルフメーカー、ゴルフスクールなどを含めたゴルフ業界全体が衰退してしまいます。2020年には東京オリンピックも開催されますが、その頃に今と同じゴルフ環境があるとは限らないのです。

お気に入りのゴルフ場が潰れる可能性も

スクランブルゴルフの写真2 インターネットの普及に伴い、多くの人がインターネットでゴルフ場を予約する時代になりました。空き状況やプレー代が一目でわかり、電話でやり取りする煩わしさもなく、24時間いつでも利用できるという点において予約サイトは大変便利な存在です。 ゴルフ場を予約するときは日程、場所、値段などをチェックしますが、もし同じ条件で複数候補がある場合は少しでも安いところを選ぶのではないでしょうか。一般的なゴルフ場において、プレー代は収益の約7割を占めていると言われています。全国に約2400ヶ所あるゴルフ場の数は変わらないものの、その収益はバブル後期のピークを境に年々下落傾向にあります。今、ゴルフ場は低価格競争の中、なんとか生き残ろうと苦戦しているのが実情です。 予約サイトのような利便性の高いシステムによって、一時的には女性や若年層へのアプローチに成功しましたが、先の見通しは必ずしも明るいとは言えません。ある日突然、いつも予約しているお気に入りのゴルフ場がなくなってしまうなど、ゴルファーにとっても決して他人事ではなさそうです。

ゴルフは永遠に難しいスポーツ!?

スクランブルゴルフの写真3 ゴルフには高い壁がたくさんあります。まずはゴルフ用具一式を揃えるとき。クラブ、キャディバッグ、ウェア、シューズ、ボールなど含めると趣味として安くない出費になります。プレー代を支払ってコースに出ればOBや池ポチャ、ダフりなどミスショットの連発。クラブを2~3本持ち、大汗をかきながらラフからラフへと走り回ることが初心者の通過儀礼のようになっています。 また、練習やラウンド経験によって上達しても100切り、90切り、80切りと、回を重ねるごとに高い壁が続々登場します。クラブが進化して、スクールやレッスンが充実し、練習グッズが溢れているにもかかわらず「ゴルフ=難しい」というイメージの払拭には至っていないのが現実のようです。これからゴルフをはじめようかどうか迷っている人にとっては、この難しいイメージが既に壁となっているのではないでしょうか。 たくさん出費して、貴重な時間を割いているのに、思うように楽しめないゴルフ。特に若い世代や女性がゴルフに興味を持ち、実際にゴルフをやってみようと心を動かせるためにはこの難しいイメージを変える必要があると考えられます。 以上のことを踏まえると、今の恵まれたゴルフ環境がいつまでも続くというわけではなさそうですよね。より多くの人がより長くゴルフを楽しむためには、これまでにない新しい取り組みが求められているのではないでしょうか。